多彩な用途に適用可能、建築部材「J-耐震開口フレーム」

投稿時間 : 2020年09月30日 11:30

アミックスでは、現在、新しい部材を採用した木造3階建てのオフィス+賃貸住宅を建築しています。

今回は、部材の採用に至る経緯とその特長・機能について、設計担当者よりご紹介いたします。

開放感のあるオフィスをつくるには

アミックス企画部の船渡川です。今回は、1階がオフィス、2・3階が賃貸アパートという物件についてご紹介したいと思います。

(弊社Webページ「ただいま建築中」で建物を、「アミックスYouTubeチャンネル」でも見学会の様子をごらんいただけます。)

 

1階には施主様の会社が入居されます。施主様からは“開放感のあるオフィスにしたい”というご要望をいただいていました。

一般的に木造建築の場合、耐力壁を適宜配置することで、建物の耐震性を維持しています。耐力壁は、地震や風などの水平荷重(横からの力)に抵抗する能力を持っています。広い空間をつくるために耐力壁が少なくなれば、地震が起きた際に、揺れに耐えられず建物が倒壊する恐れがあります。

木造建築で “柱・壁のない広い空間”をつくることは、不向きとされています。もちろん、鉄骨造であれば可能ですが、建築コストが大きく上昇してしまいます。

私たちは「木造建築で広い空間をつくる」というテーマのもと、さまざまな検討を重ねました。そして、今回採用したのが「J-耐震開口フレーム」という木製の耐震部材です。

 

 

木造建築でも、広い空間を実現

地震などで建物が倒壊する原因のひとつである「ねじれ」は、耐力壁のアンバランスに起因しています。ねじれを抑制するためには開口部を小さくする必要がありますが、それではお客様のニーズに応えることができません。

「J-耐震開口フレーム」は、J建築システム株式会社様によって開発された建築部材です。開口部にBOX型・門型のフレームを設置し、開口部の機能を残したまま耐震性を高めており、建物全体の壁量を増やすとともに、対称面とのバランス向上を実現しています。

J建築システム株式会社様 ホームページより

 

現在建築中の1階部分について、在来工法による従来の設計プランと「J-耐震開口フレーム」を採用した今回の設計プランとでご説明します。

 

従来の在来工法での設計プラン

「J-耐震開口フレーム」採用の設計プラン

 

在来工法(上図)では、丸囲みの部分が大きく張り出してしまいますが、「J-耐震開口フレーム」の採用により(下図)、広い空間を確保しながら、耐震性も維持することができます。木造建築のため、鉄骨造よりコストを抑えることも可能です。

実際の現場で優れた機能性を実感

先日、建築中の現場から「J-耐震開口フレーム」の社内見学会を開催しました。

 

 

「J-耐震開口フレーム」には、用途によって、門型とBOX型の2種類があります。今回は門型タイプの木製耐震フレームを使用しました。

今回のケースでは、通常の在来工法ですと、柱と柱の間隔は約1,600mm程度ですが、この部材を使用することで、2,600mmまで広げることができました。

 

 

建築中の現場を見ても、広々とした空間が確保されていることがわかります。

 

 

地震などで水平荷重が集中する部分には、軽量で引張強度や耐久性、衝撃吸収性などに優れた補強材「アラミド繊維」を巻きつけ、耐震性能を向上させています。(写真:緑の部分)

 

 

見学会には、現地のほか、ZOOMを利用したオンラインも含めて多くの社員が参加しました。部材の構造や特長、高いコストパフォーマンスについて理解してもらえたのではないでしょうか。

また、「J-耐震開口フレーム」を開発されたJ建築システム株式会社の青池支店長にも見学会にご参加いただきました。ご足労いただきまして、ありがとうございました。

木造建築で広がるあらたな可能性

「J-耐震開口フレーム」は、今回のような広い空間を確保したいオフィスのほかにも、店舗や商業施設、駐車場、駐輪場など、さまざまなところでの利用が可能です。これから木造建築での可能性が大きく広がっていくでしょう。

ご興味のある方は、ぜひアミックスまでお問い合わせください。

建築中の建物は、来年1月の竣工を予定しています。

 

 

施主様にご満足いただけるよう、これからも丁寧に建築していまいります。完成がとても楽しみです。

 

関連サイト
ただいま建築中

アミックスYouTubeチャンネル

 

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