時代に合った土地活用~浴場から保育園建築へ
投稿時間 : 2016年03月09日 11:30アミックスでは、土地活用の方法のひとつとして、保育園建築をご提案しています。保育園の運営はすべて運営会社が行いますので、オーナー様は一切の手間をかけず、安定した家賃収入を得ることができます。
昨年12月、墨田区東駒形にアミックスが建築した新しい保育園が誕生しました。今回は、長年続けてきた浴場を保育園兼自宅(3F部分)に建て替えたオーナー様のご自宅でお話しをお伺いしました。
担当はアミックス資産活用営業部の菊地です。
オーナー様(右)と菊地
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昭和30年代から続く風呂屋
――(インタビュアー) 浴場の仕事はどれくらいやっていらっしゃったのですか?
H様 うちはもともと石川県で撚糸工場をやってたんですよ。
―― 石川県出身の浴場経営者の方は多いそうですね。
菊地 そうですね。多いと聞いています。
H様 撚糸工場は、昔は景気がよかったんだけど、化学繊維に押されてやめることになった。別のところに行くことになったんだけど、ホントは大阪のほうが近いんですよ。でも親父が付き合いが大変だからっていうんで、だれも知らない東京へ来たんです。それが昭和27年。
―― 昭和27年に駒形に来られたんですか?
H様 いや、最初は滝野川で風呂屋をやったんですよ。風呂屋は頑張ればできるから。でもしばらくして母の実家が同じように撚糸工場をやめることになって、昭和34年に滝野川の店を譲ったんだよね。
―― それでこちらに?
H様 当時は浴場専門の不動産屋があって、紹介されてね。昭和34年に引っ越してきたんだけど、なんだかボロくて私はイヤだったね(笑)よかったのは場所だけ(笑)
―― その頃はお客さんも多かったでしょうね。
H様 多いときは一日1,500人来てましたよ。当時はどこの家も風呂がなかったから。本所・向島地区だけで140軒も風呂屋があったしね。
―― 家に風呂がなかったとはいえ、風呂屋がそんなにあったのに、1,500人はすごいですね。
H様 酒屋さんでもどこでもそうだけど、当時は田舎から集団就職で出てきた子が住み込みで働いてたから。人が多かったってことですよ。うちでも多いときは住み込みの人が6~7人いましたね。風呂はいつも混んでるから、カランの空き待ちみたいになってね。知り合いの人が「ここ空くからおいで~」って呼んでくれる、みたいなね。
―― 大変な仕事ですよね。
H様 風呂屋は大変だけれど苦ではなかった。今から15年くらい前に改築したんですよ。改築はお金もかかるしね、もうやめようかとも思ったんですよ。でもまだ60歳前なのに仕事をやめちゃったら、あと何しようかってなっちゃうから。
―― 浴場の改築は大変なコストがかかりますよね。
H様 5,000万円かかりましたよ。それから1~2年はキレイだからお客さんがくるんだけど、だんだん来なくなる。一昨年(平成26年)頃にはこの仕事もあと5年くらいやれればいいかなぁと思ってたんですよ。
―― 風呂屋さんの廃業は後継者がいないことが大きいと聞いたことがありますが・・・
H様 うちは娘が3人いて、次女と一緒に住んでるんだけど、娘の夫は英会話講師でね、やっぱり風呂屋は継がないからね。だからあと5年くらいやれればいいかななんて思ってたら、鶴山さん(アミックス取締役)が「保育園建てましょう!」っていうんで(笑)
墨田区は「保育園を欲しがってる」
―― それが平成26年ですね。
H様 そう。鶴山さんとは古い付き合いでね、よく知ってるんですよ。待機児童の話もちらっと聞いてはいたけど、「保育園は4月の開園のほうがいいから早くはじめましょう」っていわれて、「ちょっと待って」と(笑)
―― ほかの不動産会社からも土地活用のお誘いがあったんですか?
H様 何社もありましたよ。大手さんですよ。風呂屋は斜陽産業っていわれてるからね、マンション建てる話とか。
―― 大手さんの営業とアミックスは違いますか?
H様 違う違う。大手さんはスゴいよ(笑)アミックスさんは、あんまり商売っけがないんだよね。ほら、この営業さん(担当の菊地)なんて、これで営業なの?ってくらい大人しいでしょ(笑)
菊地 ええ。ハハハ(笑)
H様 アミックスさんのことは信頼してるんですよ。鶴山さんとか望月さん(アミックス相談役)とか、付き合い長いけど大ボラ吹かない。自分も知り合いにアミックスさんを紹介したことがあるくらいだから。アミックスさんも昔にくらべて大きくなったけど、ちょっとずつ大きくなってるからね。大きい会社ってホントのところがよく見えないでしょ。
―― アミックスは担当が頻繁に異動したりしないですしね。
菊地 そうですね、
―― 保育園を建てることになった決め手はなんですか?
H様 保育園の話をアミックスさんから聞いてね、知り合いの議員さんにも聞いてみたんですよ。そしたら、墨田区は待機児童が多くて、とくにこの辺は保育園が欲しいと。保育園の運営会社さんのことも聞いたんだけど、「他の区でも実績があるから信頼できる」っていわれてね、それなら大丈夫だろうと。
自己資金ゼロ、約10ヵ月で建築
―― そこから開園までずいぶん早かったんですね。
菊地 そうですね。決まってからは早かったですね。
H様 鶴山さんが「面倒な手続きはいらない」といってた通り、書類とか銀行の融資とかは全部アミックスさんがやってくれたから、手間は一切なし。
―― 自己資金は入れたんですか?
H様 自己資金はなし。アミックスさんは2年前から(保育園建築の)実績があるから、銀行さんもすんなり融資してくれたらしい。自分のあとは娘夫婦が引き継いでローンを払っていくんですよ。
―― 娘さんとの長期ローンなんですね。着工したのは平成26年の10月ですか?
H様 9月に「やめます」って告知して、11月から取り壊し。完成したのは翌年(平成27年)の11月だね。開園日は2~3回変えて結局12月になったんですよ。
菊地 そうですね。12月中までは取り壊しで、実際に建築がはじまったのは1月から。10月に引き渡しだったので、10ヵ月で建てましたね。
完成した保育園
地域に「お世話になっている」という気持ち
―― 開園前の園児募集にはたくさん応募があったのでしょうか?
H様 10月半ばで募集を締め切ったんですが、応募が殺到したらしいですよ。定員は1F・2Fで60人なんだけど、最初は0~3歳児までの36人。(4・5歳児は平成28年4月から受け入れ予定)まだまだ足らなくて、女性議員さんがいうにはこの地域にもう1軒ほしいらしい。
―― 保育園の建設を反対される地域もあるらしいですが、苦情などはありましたか?
H様 全然ないですよ。でも、開園前に園長さんとも話したんだけど、苦情のあるなしにかかわらず、地域の人にお世話になっているという気持ちが大事だよね。うちは風呂屋のときも遅くまで営業していたから、いつもそういう気持ちでやってましたよ。
―― 保育園の上にお住まいになって、騒音が気になったりしますか?
H様 開園当初は泣き声が聞こえたけどね。ママから引き離されるから、みんな泣いちゃうんだよ。今は落ち着いてきたみたいだね。うるさいと思ったことはないですよ。園舎に入っているときは何も聞こえない。たまに保育士さんが手を引いたり、おさんぽカーに乗せたりして公園に連れて行くところを見かけるくらい。
保育園は時代にあった事業
―― コインランドリーも併設されているようですが、そちらの営業はどうですか?
H様 コインランドリーは手がかからないよね。24時間営業だけど、今は防犯カメラの性能もいいから、開業から2ヵ月たっても、事故や故障は1回もないんですよ。
1Fに併設されたコインランドリー
―― 保育園のほうの家賃はいつ頃から?
菊地 運営会社さんのほうから、もう入り始めていますよ。
―― 開園から2ヵ月、順調でいらっしゃると思いますが、いかがですか。
H様 保育園を建てるっていうのは時代に合ってると思いますね。これから必要なのは、お年寄りと子ども向けの事業じゃないですか。風呂屋をやっていても、壊れればお金がかかるんです。1日に300人お客さんが来ていれば改修費も出せるけど、それ以下じゃあ難しいしね。
―― 運営会社さんとの契約は何年ですか?
H様 20年ですね。
菊地 20年後におそらく更新できるんじゃないかと。
H様 保育園は必要なんだから、事故やトラブルがなければ続けると思いますよ。それに「保育士の資格を持ってるんだけど、遠いところへは通えない」とこれまで働けなかったのに、近くに保育園ができたからって応募してきた人もいたんですよ。保育園をつくったことで、雇用も生み出せたわけだし。
―― まだ保育園が必要なところは多いでしょうね。
菊地 そうですね。場所によってはまだまだ足らないのだと思います。
―― 本日はお忙しいなか、どうもありがとうございました。