不動産投資のはなし(3)―買い換え事例紹介

投稿時間 : 2011年06月29日 16:43

以前このブログで、『土地を買い換える』というご提案をしました。

この先、価値が目減りしていくことが予想される土地であれば、目減りしないうちに売って、そのお金で『稼げる土地』を買いましょうということです。

とはいえ「受け継いできた資産を守りたい」という土地オーナー様にとって、土地を売ることは大きな決断であり、簡単には決められないことだと思います。

今回は、私が申し上げたことがもっとご理解いただけるよう、買い換えプランを具体的な事例で説明してみたいと思います。

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Photo:限られた立地でもシャワーブース設置などの工夫で人気のアミックス管理物件


《買い換え事例》
東京都心から電車で約30分程度の千葉県内の私鉄駅。駅前はにぎやかなのですが、そこから徒歩で20分程度の場所に、約200坪の更地を所有していると想定します。

この土地を使って何か事業を展開しようとします。さて、何ができるでしょうか。

アパートを建てて賃貸住宅経営?! でも残念ながらこの立地での賃貸経営はおすすめできません

少子化の今、東京に近いとはいえ、千葉県内で駅から離れている場所での賃貸アパートは将来にわたっての入居者ニーズが見込めません。もしこの土地でアパート経営をするなら、よほど安い家賃にするしかないのです。それでは採算がとれません。

では、駐車場はどうでしょうか。駐車場であればさほど費用をかけずにはじめることができます。この付近での駐車料は、約6,000円/月程度です。200坪あれば30台は駐めることができますので、収入は
30台×6000円=18万/月

となります。ただ、この辺りでは駐車場付きの戸建ても多いため、30台分すべてに借り手をつけることは難しいかもしれません。

賃貸アパートはニーズが小さいし、駐車場も適しているとはいえない…

この状況では、土地の価値は大変厳しいものとして捉えなければなりません。残念ですが、価値が目減りしていく土地といわざるを得ません。

そこで考えていただきたいのが、売却です。

千葉県内の東京に近い地域であれば、駅から少し離れていても分譲戸建住宅は大変人気があります。土地を買い上げ、戸建住宅を建てて、売りに出したい不動産会社も多いでしょう。土地を売却するのであれば、買い手はたくさんいるのです。

売却する場合、この地域の坪単価は約40万円程度ですから、土地の価格は
40万/坪×200坪=8,000万円
今なら、この土地は8,000万円という価値を持っているのです。

そして、その売却資金で別の『稼げる土地』を買うのです。

税金・諸経費が約20%かかるとして、手元に残るのは6,400万円です。これで、アパートに適した土地、たとえば東京都江戸川区で駅から徒歩10分以内の土地を買うとします。相場からみて価格を100万円/坪と仮定すると、約65坪の土地を買うことができます。

そしてこの土地に、木造2階建てで10室のワンルームアパートを建築します。建築費は諸経費込みで4,000万円(400万円/戸)とします。建築費は全額銀行からローン(20年、金利2%)を借りたとします。すると毎月の収支は…

 家賃収入(手取り)   55万円(5.5万円/戸)
 ローン返済        20万円
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 差し引き収入     35万円

ローン返済後に月額35万円の安定収入が手にはいるのです!

買い換え図.gif

もともと持っていた土地に比べて広さは約1/3になりますが、東京23区内のアパートにはこれからもニーズがあります。価値が目減りしにくいのです。

今後の少子高齢化デフレ社会を考えれば、人口は全体として減少し、そして大都市に集中すると考えられます。だからこそ、借主が集まる立地を選んでアパート建築(アパート経営)をはじめることが重要だと思います。

オーナー様にとって、先祖代々守ってきた土地を自分の代で手放すのは忍びないことと思います。でも受け継いだ資産を守るという意味では何ら変わりありません。これからは、『資産の価値を守る』と考えることも必要なのではないかと思います。

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