アミックスは「上場」しません！

私どもアミックスは上場していません。これは今後も変わらない当社の方針でもあります。

アミックスは大企業ではありませんが、昨今の世界的大恐慌のなかにおいても、過去２０年以上継続して黒字を続けている堅実な企業です。

この経営状態であれば、上場して株式公開したほうがもっと社会的な信用が増して、会社を発展させられる可能性もあるのでは・・・。私も一時期そう考えて、上場を検討したことがあります。でも、アミックスなりの理由でそれを断念したのです。

有力な大企業でも上場しない会社もありますね。その多くは買収を防ぐためでしょうし、同族経営の企業が世襲制を維持するという理由もあると思います。でもアミックスが上場しない理由はそんなことではありません。

最大の理由は、オーナー様の利益を最優先して守りたいというアミックスの理念にあります。

ご存知のように、上場した会社は株主にできるだけ多く配当を出すことが求められます。会社全体が株主の方向を向かざるを得ないわけです。そうなると、利益を生み出すために、オーナー様に不利な条件を提示しなければならないことが起きるかもしれません。

実際に、上場している他の大手有名不動産会社が『オーナー様に無理を押しつけて利益を出している』という話も聞いています。創業以来、オーナー様とともに歩んできたアミックスにとって、それは決してできないことだったのです。

もうひとつの理由は、情報公開という点です。

上場企業は、毎年決算書をすべて公開し、会社の経営状況を株主に報告しなければなりません。株主に求められれば、会社の細かな情報も公開しなければならないのです。

スイスの銀行が、世界中のどんな人や機関から依頼があっても顧客の情報を公開しないことは有名ですね。そこまでではなくても、やはり顧客の情報は守るべきだと思っています。特に、アミックスはオーナー様の大切な資産をお預かりしている会社。オーナー様の資産に関する情報を他に漏らすようなことがあってはならないのです。『財産の金庫番』は口が固くなければなりません。

それに、上場するなんてことは、打ち上げ花火みたいなもの。ドーンとあげて、その後上手くいけばいいのだけれど、そうとも限りません。

不動産会社の中には、いったん上場したものの株価が１／１０にまで下がってしまい、『オーナー様に迷惑をかけられない』と、結局自分ですべての株式を買い取って上場を取りやめたところもあります。

アミックスもオーナー様あっての会社。自分の都合だけではできません。さまざまなリスクを伴うことにオーナー様を巻き込んではいけない。そう考えて、一昨年、私は今後も変わらず、アミックスを上場させないことを決意しました。

アミックスとお付き合いいただいているオーナー様は、夢のような生活をしたいとは望まれてはいません。「ただ、地道に堅実に経営してほしい」とみなさんそれだけをおっしゃっています。その言葉にこれからも誠心誠意応えていこうと思います。